今回はゲーム製作者、ヤルハラの丼さんがゲストです。




■ヤルハラ − ゲーム、音楽、絵
■制作のキッカケ − 人力ドラクエ
■好きなゲーム − 後ろで見ていても面白いもの
■nanosmilesの制作 − 始まりはスクリーンセーバー
■方法論 − 細かな配慮の積み重ね
■海外に向けて − 海外ユーザにもストレス無く
■最後の一言




■ヤルハラ − ゲーム、音楽、絵


自己紹介お願いします


丼と申します。
STGを中心としたフリーゲームをいくつか作ったりしています。


サイトは色々なものが置かれてますが、メインはどれなんですか?


メインはやっぱりゲームですねー
音楽や絵なんかもやってますが、それはゲーム作りに飽きたらやってます


ゲームは総合芸術というイメージがあります


そうですねー
ゲームを作る上で、絵や音楽の知識は生かせますからね
フリーゲーム作者は、僕に限らず何でもやる人が多いです


多才な方が多いんですね


多趣味ですね
でも、一つ一つが中途半端になってしまうので
そこは気をつけないといけないな、と思ってます


ゲーム、音楽、イラストで、最初にやっていたのはどれだったんですか?


ゲームが最初です。
最初、PC98版のRPGツクールでゲーム製作を始めたんですが、
そのうち、素材も自作したくなってきて
ドット絵と作曲を始めました。
ゲームで必要になったから、始めたって感じですねー


なるほど。最初から今ほど上手かったわけではないんですよね?


今もまだまだですが
そりゃ最初の頃はひどいもので
なんであの頃はあれで自信満々だったのかなとw


そうなんですか?


基本的に自信過剰ですからね


■制作のキッカケ − 人力ドラクエ


ゲーム制作を始めたキッカケはなんだったんですか?


きっかけはですねー
元々RPG作ってみたいというのがあって、
TRPGみたいなのとか作ったりはしてたんです。


それはリアルで?


はい。
私は親にFCを買ってもらえなかった側の人間でして


あら、家でゲームができなかったんですね


小学校の時はそうでしたね。
そうなると、学校でゲームの話にも入れないわけです。
で、ファミコンへのあこがれもあって、学校でTRPGもどきを作って、
友達に遊んでもらっていたわけです。


○○ごっこみたいな感じですかね


確かに、ごっこですかねー
人力ドラクエと言って伝わるでしょうか
紙の上に、ウィンドウとかを手書きで書いて
敵も手書きで
で、倒したら消しゴムで消して再描画するというw


すごい労力ですね


画面書き換えって大変だなと思ってましたw
それで、高学年になったあたりで
SFCにRPGツクールが発売されたわけです。
RPGが作れるのか!と大興奮しまして
でももちろん私はSFCを持っていなかった
そこで、友達をそそのかして買わせたわけです。
入り浸って、自分がRPGを作るためにw


なんという策士


そこがきっかけと言えばきっかけですかね
もちろん、後でPC98用のRPGツクールを買って、
そこから本格的に作り始めたんですが。


小学生の魂が、そこで復活したわけですね


ええ、もうゲームが作れるというだけで、本当に楽しかったですね


RPGからSTGに転向したのは、なぜなんですか?


うーん、何故なんでしょう
あ、STGツクールを買ったからですね
作れるっていうだけで飛びついてましたので。
何を作りたい、というのが先にあったわけでは無かったです。


■好きなゲーム − 後ろで見ていても面白いもの


これまでやってきた中で、お好きなゲームはなんですか?


好きなゲームですか…
いざ聞かれると難しいですね、それはw
たとえばRPGだと、クロノトリガーとか天地創造とか
演出や音楽が凝っていて、後ろで見ていても面白いものが好きですね。


なるほど。後ろで見ていても、っていうのが面白いですね


実際に後ろで見ていましたからねw


天地創造はやったことないのですが、クロノトリガーは大好きです。


作品の雰囲気が統一されていて、あれは今見てもいいなぁと思います。
あとドット絵が凄く好きでしたね


SFCはドット絵全盛でしたからね


あれは萌えますw


やはり3Dよりはドット絵派ですか?


そうですねー
ちまちましたものが良く動いていると、やっぱり楽しいですね


ドット絵は良いですよね


サイズが小さくて、あまり細かく書き込めないんですが
それがかえって想像の余地を残しているんですよね。


■nanosmilesの制作 − 始まりはスクリーンセーバー


ゲーム制作の流れを聞かせてもらっていいですか?


うーん、あんまり意識しないことなので、むずかしいですねー
犬さんの想像でいいんですが、どんな流れで作ってると思います?




nanosmilesが最初にリリースされた時は、普通の全方向シューティングでしたよね?
だから、全方向と細胞の二つのアイディアからできたのかな、と思ってました


その二つがひらめいて、ってイメージなんですかね


なんか、別々に思いついたものを足してしまえ、ってイメージでした


うんうん
実際は、もうちょっとしょぼいんですよね


そうなんですか?




boidtrancerってご存じですよね?


はい


ナノスマイルズは、boidtrancer3にあたるんです


3?


ナノスケイプというのが2ですね
未完成ですが


ですよね。今探しに行くとこでした


一から、どういう生い立ちでナノスマイルズが誕生したのかを話しますと
まずboidtrancerがどこからできたかという話になります。
boidtrancerは、最初スクリーンセーバーとして作りました。
鳥っぽく動くスクリーンセーバーがいいなーと思いまして
適当にでっちあげたものです。
で、それを眺めているうちに、これ打ち落とせたらいいなと思ったので、
鳥の色を変えて、自機を作りました。
それがboidtrancerですね。


なるほど


単なる「群れ萌え」がゲームになっちゃった、という感じです。


boidtrancerはどこかの論文から動きが作られてるとか


はい。Boidsというアルゴリズムです。
簡単な規則で、群れの挙動を再現できます。


とても特徴的な動きになってますよね


その辺はABAさんという人のblogで知りまして、
綺麗だから是非やってみたいと思っていました。


なるほど。


それで、次作のナノスケイプなんですが、
まず、自分の周りで全方位STGが流行っていたんですね。
なので、是非自分も作っておこうと。
のっかれのっかれーと。


そんな理由w


全方位と言えばやはり宇宙だろうと思って
宇宙のグラフィックを書いて、宇宙船を書いて、
フィールドを動き回るプログラムを
boidtrancerのプログラムを流用して書いたんですが、
宇宙船がゾウリムシに見えてきてしまって
しょうがない、これはゾウリムシだ、ということにして
微生物ゲーにしました。


微生物なのは、結果的になっただけだったんですかw


そうですね。
微生物に見えてしまったから。
今もナノスマイルズで同じグラフィック使ってますが
あれ、宇宙船ですからw


全く違和感なく、ゾウリムシだと認識してました


見えますからねw
それで、微生物ゲーを作ったんですが、どうも萌えない。
絵を微生物にしたんですけど、何か物足りないので、
boidtrancerの敵を試しに、自機の仲間としておいてみたら
微生物っぽいんですね。動きが。


あれはそうだったんだ


ナノスマイルズのオプションも、Boidsで動いています。
あれは、boidtrancerの敵です。


全然気づかなかったです


そうして、boidtrancerが微生物ゲーとしてうまれかわったんですが、
これがまたあんまり面白くなくて
1年ほど放置してたんです。


ほう


で、去年の冬コミの1ヶ月くらい前になって
出し物が必要になって
デ×スマイルズをプレイしながら思いついたのがナノスマイルズです。
ロックオンいいなと思ったので、入れてみただけですね。


自機が攻撃できないっていうのは新しいですよね


そうですね。自機は攻撃できないです。
最後まで自機に攻撃させるかどうかは悩んでましたよ。


ないからこそ、面白いですよ


ナノスケイプは自機が強かったんです。そのせいでオプションの存在意義が薄かった。
ナノスマイルズはそこを解決出来たのが成功の要因かなと思っています。


なるほど


というわけで、大体3年ぐらいは同じソースいじってます。


歴史が長いんですね


その間に3作リリースしてますから。
調整次第でいろんなゲームが出来るというわけです。
もとはスクリーンセーバですしね。


■方法論 − 細かな配慮の積み重ね


nanosmilesはデザインがとてもシンプルなんで、
てっきり最初からあの形で思いついたんだと思ってました


いやいや、仕様変更は数限りないです。
それこそ近接攻撃付けてみたり、フォーメーション付けてみたり、
大きな仕様変更をしていく中で、
やっとナノスマイルズのシンプルな形に落ち着いたというところですね。


色々なものが全部消えて、シンプルな形になっているところが素晴らしいです


シンプルにするには、削らなければいけないわけです。
しかもその削る部分には、何時間もかかっている。つらいですよw


作るのに時間かかってるのを削るのはきついですねw


愛着がわいてしまうとダメですね。そこはシビアにいかないと。
ナノスマイルズのダッシュは、シビアにいききれなかった例です。
ダッシュ使わないですよね。


使わないですね


誰も使ってくれませんw


16面で、最初に下に逃げる時だけ使いましたw


そこだけw


ダッシュすると、敵に突っ込んで自滅することが多いんですもん


そこのところは、ナノスマイルズ2で解決する予定です、たぶんw


2でも、あくまでもダッシュは残す?w


難しい質問を…w
ともあれ、まあストレートに開発出来た試しがないです。


本当に、紆余曲折ですね


これからゲームを作りたい、という人に言いたいことは
いろいろ考えすぎずに、全部やってみたら
いいのではないかなと思ってます。
素晴らしいアイデアなんて、最初から思いつかないですから。


なるほど。ダメなら削ればいいわけですからね。きつそうですけど


きついですが、得るものの方が大きいです。


没アイディアが別のゲームに生かされるなんてことは、あるんですか?


今のところはないですねー
アイディアよりも、これやったらダメという決まり事が結構多くて
その積み重ねで面白いゲームが作れるようになると考えています。


例えば?


たとえば、大きすぎるあたり判定とか
のろい自機とか
とばせないメーカーロゴとか、とばせない会話シーンとか。


あー、自分なりの決まりができてくる、ってことですか


自分なりの決まりと言われればそうですが。
基本的には、プレイヤーに無用なストレスを与えないということですかね。
いろいろ、やってはいけない事がたくさんあるので、
そのあたりは、プレイヤーの反応を見たりして、
何がダメなのか学習していかないといけないですね。


なるほど


細かな配慮を積み重ねることが大事ですし、心がけてます。
タイトル画面でpress keyとか書いてあるけど、
何のボタン押したらいいのか分からないとか。
そうなるとゴミ箱行き、ということもないではないですからね。


ところで、新作はいつ頃出るんですか?w


新作!
もうちょっと充電してたいですw


えええええww


モチベの管理が大事なんですよ
仕上がったことの方がまれですからw


仕上がったものは素晴らしいのに、そこまで至らないものの方が多いとはorz


boidtrancerまでに何冊設定ノート書いたか分からないですw


設定ノート、ですか


世界観、キャラの名前、必殺技の名前…が書き込まれた、負のノートです


ゲーム中には一切出てこない、そんな裏設定ノートがあったとは


あ、boidtrancerはなんも書いてないです
企画書、アイデアノートはメモ1枚でした


なんという扱いの差


ゲームが出来たあと、
ああ、今までは力を入れるところを間違えていたなと思いましたね。
設定に全ての力をつぎ込んでました。


含蓄のある言葉ですね


ジンクスみたいなものです
世界観から作り始めるとゲームは完成しなくて、
スクリーンセーバーから作り始めるのが正解だったという
これが私なりの方法論ですw


■海外に向けて − 海外ユーザにもストレス無く


そういえば、海外向けサイトを始めたんですよね?


EngRish Games
日本人に対しては、先ほどお話ししたような配慮をしようと頑張っているんですが、
じゃあそのゲームを海外の人がプレイしたらどうか?ということを
考えたことがあったんですよ。


はい


ゲーム内のメッセージは大体日本語なので、海外の人はまず読めないですね。
下手をしたら文字化けする。
親切なチュートリアルを付けても、海外の人にとったら訳分からないですね。


確かに


実際に、私のゲームをプレイした動画がyoutubeにあがってて
文字化けしてるんですね。
それでも海外プレイヤーが遊んでくれてるのが驚きでしたけれど。
そこは海外ユーザにもストレス無く遊んで欲しいな、というのが
EngRish Gamesの基本的な目標です。


なるほど


実際はどこまで英訳すれば親切なのかとかは、
海外の人の反応を見ないと分かりませんから
今は、とにかくやってみよう、ということでやってます。


製作者の方がそこまで始めると、制作の時間がなくなるのでは


英語化に関してはすでに努力されてる作者の方がいますから


先人がいるんですか


そうですね。数は少ないですが。
そういった、すでにある英語化対応したコンテンツをつないでいくのが、
私にできることの中で、一番効果的なことかなと思っています。
今のところ、自分のゲームばっかりで、オレオレサイトになってますが…


自分のサイトなんだから、自分のゲームばっかりでも全然問題ないじゃないですか!


でも、方向性としては、いろんな人の変なゲームを英訳したり紹介したりしようと思っています。
地道に積み上げていきますので、まったり見守っててもらえると幸いです。


■最後の一言


では、最後に一言お願いしますw


超大作ではなくスクリーンセーバーを作ることから始めよう!
2008.04.16(12:00)|ゲーム製作者コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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