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蒸れも湿気も上等。室内ニット帽のナイスガイ・古田雄介の“顔の見えるインターネット” このエントリーを含むはてなブックマーク

2008年12月15日 22:27

 サイトの管理人に興味を持ったことはないだろうか? 例えば、某ニュースサイトの中の人は本当に26人なのだろうか。可愛いマスコットをプレゼントされた彼は本当に王子なのだろうか。コミケ会場でメイド服を着た男性管理人は実在するのだろうか。

 そんな疑問に答えてくれそうなのが、古田雄介の“顔の見えるインターネット”だ。超大手サイトから知る人ぞ知るサイトの管理人まで、タイ焼きが大好きな女性管理人から10個もサイトを運営している女性管理人まで、幅広い層をターゲットにインタビューを進めている。

 そんな企画のインタビュアーが古田雄介氏だ。建築を学んだ後に業界へ足を踏み入れ、現場における缶詰と徹夜の日々を乗り切り、晴れて葬儀業界に転職を果たした。現在は汲々自適の執筆生活を満喫しているフリーライターだ。

 今回は古田氏にインタビュー企画への情熱と幽霊アパート、エンターテイメントとジャーナリズムのバランスと美人妻について語ってもらった。

■インタビューするのは、心の琴線に触れたサイト
■エンターテイメントのバランスは?
■アクセス数より好奇心。サイト規模より、面白さ
■インターネットはもっとクールに



古田雄介の“顔の見えるインターネット”
 カリスマサイト管理人にインタビューを敢行する企画。これまでに38のサイトへのインタビューに成功している。同種の企画では珍しく、定期的な更新を続けている。

 インタビューのために都内を駆け巡り、一都六県に足を運び、中部地方まで視野に入れる行動派である。
■インタビューするのは、心の琴線に触れたサイト

――インタビューを始めた理由はなんですか?

古田 僕が行ってたのは工学科で、建設業界に就職したんです。社会人になる前は、仕事は五時で終わりで帰れるって思ってました。ところが、現場へ行ったら泊り込みの連続で、朝の八時から夜の一時まで作業は日常茶飯事、睡眠時間は三時間もない日々です。これはつまらん、と一年で転職した次第です。

 僕は怖い話が好きなんです。葬儀屋やっていた頃、仲間が言うんですよ。「今日は肩が重いな」とか「式が終わったら、肩が軽くなった」とか。でも、僕は「えー?」って。全然何にも感じない。

 警察の霊安室で二時間くらい遺体と二人きりでも、ふと「写メール撮ったらモラル的にダメだよな」とか思ってしまったり。興味はあるけど、霊体験や霊を感じる力が一切ないんです。だから、そういう体験のある人に関心がありますね。“路地裏”さんにインタビューしたのは、そうした理由もあります。

 刺激を求めているんだけど、日常には刺激があまりないんです。インタビューするのは色んな面白い人の話を聞いて、刺激を感じるためですね。だから、記事を作る時の基本は、自分がサイトに興味を惹かれるかどうかです。


  


――インタビューするサイトはどうやって決めているんですか?

古田 心の琴線に触れるサイトです。当初は自分のお気に入りフォルダに入ってるサイトさんに声をかけました。編集者さんから「こんなのいいんじゃない」と方向性を指示されることもありますけど、どのサイトに声をかけるかは全部自分で決めています。

 一番最初に声をかけさせていただいたのは“X51.ORG”さんです。実はライター始めて二年目くらいに、「将来こういう企画をやりたいから、その時にぜひ声をかけさせてください」っていうファンメールを送っていたんです。だから、この企画にGOサイン出た時、すぐに連絡しました。

 もちろん、ニコニコ動画が流行ったらその界隈に注目したり、マニア系鑑賞趣味が人気を博したらそのジャンルの大御所をリストアップするといった作業もします。でも、単にブームに乗るだけというのはしたくない。精力的に活動されている人のうち、「この人は、絶対、真性だ」とか「この人のサイトの作り方は裏にすごい計算がある」と感じさせるエネルギーを持つ管理人さんにアプローチします。たとえば、“ダムサイト”さんや、“住宅都市整理公団”さんはそういう側面がありますね。

 逆に、猫の写真ブログとかは、よほどの戦略性を感じないかぎりは、人気が出ても紹介することはまずないですね。猫が可愛いのは当たり前で、それで人気を博していても、その管理人さんに魅力を感じない。まあ、アイドル産業が嫌いっていうのが根底にありますけどね。

――2chブログへのインタビューは難しそうに感じるのですが、行う予定はありますか?

古田 何度かアプローチしていますが、今のところ、良い返事は貰えていません。インタビューを受けてもいいって方がいたら、ぜひ取材させてもらいたいです。メールは結構出しているんですが、なかなか難しいんですよ。アプローチして快諾いただけるのは半々くらいですね。

 今は行儀良くしないとちょっとした書き込みで炎上するじゃないですか。叩かれて、魚拓をつけられて。言質とられるから、変なこと言えないなっていう空気がある。特に、2ちゃんねるはすごくデリケートじゃないですか。そんな中を渡り歩く術を知りたいですね。

■エンターテイメントのバランスは?

――僕は基本チャットなんですが、対面との違いはどんなものだと思いますか?

古田 なるほどなるほど。僕は立会いでのインタビューにこだわってるんですね。直接お会いしたほうが、その人の体温や考え方、その他いろんな情報が得られると思うんです。そこはチャットでのインタビューとは違うところですね。

 立ち会いで大変なのは、録音した取材テープを文字に起こす作業です。それをあえてやりたかった。この企画をASCIIに出したのは、ちょうどフリーライターになった時なんです。その頃は、テープ起こしに苦手意識を持っていたので、この企画で克服しようと考えていました。

 最初はきつかったですね。やってるうちに、だんだん速くなってくるんですけど。「あー」とか無駄な言葉を省いたりして、今は普通に空気のようにやれます。

 OCRの声版が欲しいですよね。(OCRとは文字をスキャンし、文字データとして入力する機械)。ドラゴンスピーチっていうソフトがあるらしくて、自分一人の声だと結構精度が高いらしいんですよ。ところが、こうやって違う人間が複数いると、それぞれに周波数が違う音を両方とも音声として認識することはできないみたいなんです。

  


――インタビューを通して気づいたことはありますか?

古田 今までのインタビューしてきた人には大きく分けて二種類いると思うんですよ。情報をたくさんまとめて見せるのが好きな編集者肌の人と「俺を見ろ!」っていう芸術家肌の人です。例えば、“かーずSP”のかーずさんはどちらかといえば芸術家よりですね。

 たとえば、ニュース系だと情報を整理する作業が必要になるから、編集者肌の人が多いと思っていましたが、意外と自分を前面に出す人も少ないないですよね。そういう芸術家肌の人の文章は面白いですが、情報に管理人さんの主観が混ざる危険もはらんでいます。

 主観が入ってくることとニュースを客観的に伝えることって、相反するわけです。事実情報だけを得たかったらある程度のフィルターを通して見なきゃいけない、白米の味を見分けながら、ふりかけご飯を食べるような感じですね。

 これと同じことがインタビューにも言えると思うんです。インタビューは管理人さんの話を記事にするわけですが、そこには僕の主観も入ってきます。僕の主観をインタビューに入れるべきなのか。「もっと古田を出せ」って言われたこともありましたが。

 ジャーナリスティックに行くか、エンターテイメントに行くかっていうのも、ものすごく難しい。ジャーナリスティックの方面から「なんであれを聞こうとしないんだ」とか言われてしまってます。でも、この連載はエンターテイメントでやっていて、相手の面白いところを引き出していきます。

■アクセス数より好奇心。サイト規模より、面白さ

――インタビューされる原動力はなんですか?

古田 僕の好奇心ですね。サイトがデカかろうが小さかろうが関係なく、面白いことをやっている人は面白いというコンセプトです。だから、もちろん、かーずさんとかゴルゴさんとか御三家も面白いだろうし、タイ焼き自販機もやっぱり面白いですよね。

 ちょっとはお金も貰ってるかもしれないけど、なんで個人がこんなに面白いことをできるんだろう。その面白いことをやってる人に、「なんでそんなことをはじめちゃったんですか?」って聞いてみたら、きっとすごく面白いだろうと思ってます。

――インタビューされるジャンルはバラバラですよね?

古田 二回くらいだったらいいんですけど、僕も似たようなジャンルの人たちと三回、四回やってると、正直なところ新鮮さを感じなくなってきます。ジャンルを絞ると、「ああ、こういうパターンね」っていう枠ができちゃうじゃないですか。そこで、別の空気を求めて、色んな方へアプローチするんです。

 いつも新鮮な空気でいるとテープ起こしも楽しめるんですよ。現場では、人となり、人柄を想定して、「ここに触れたらまずいかも」っていう質問をあえてしたりするわけです。それで熱くなって語ってくれたら、やっぱり嬉しい。その記憶を掘り起こしながら「ここ、一番美味しいところだ」とか考えて起こすんです。


 やっぱり、モチベーションですよね。インタビューはすごく手間がかかるんで、ワクワクがないと続けられないですよ。自分が何故聞きたいかっていうのが一番でかいです。まとめた後に「つまんなかったな」って言って上げるのは悔しいですから。ただ、幸いなことに今までそういった経験は一度もありません。

  


――小さなサイトでも構わずということは、アクセス数が出ないこともあるのでは?

古田 アクセス数ばかり気にすると、どうしてもメジャーなところばかりに固まっちゃうんですよ。だから、僕はなるべくカテゴライズしないで、あらゆるところを抑えていきたいなと思ってるんです。これっていうテーマは絞らずに、この人の話を聞きたいという動機で単純に選べるようにしたいんですね。

 それに例えば、ココロさんの記事が載ったら、ファンの人たちがインタビューを読みに来るわけです。そこで、過去の記事も読んでくれて、他の管理人さんにも興味が湧くかもしれない。そこで「ああ、面白かった」と思ってもらえる記事を作りたいですね。

■インターネットはもっとクールに

――インターネットの期待することはなんですか?

古田 昔はテキストサイト全盛だったじゃないですか。あの頃は“奇天烈”さんも仰っている通り、ネットはクールで、サイバーな雰囲気がありました。ところが、今はサブカル系統が力を持ちすぎていて、アンバランスになってると思うんですね。

  


 例えば、mixiには一般層の人がたくさんいますけど、一般層だけのコミュニティのまま固まってる。はてなには論説系の人が多いんですが、とても固い。バラバラに棲み分けているんではなくて、混ざって多様化して欲しい。もっとクールな方にいって欲しいですね。


著者紹介──犬
 テキストサイト、マンガブログ、2chブログなど数だけこなすウェブサイター。喫茶店でチョコケーキを奢ってもらいつつ、話を聞いてきました。古田雄介の“顔の見えるインターネット”に逆パターンがアップされてます。今回の記事は“顔の見えるインターネット”仕様の構成なのです。ちなみに、幽霊アパートと美人妻の話はちゃんと聞きましたが、載せません。


コメント

  1. 輪王ひろみ | URL | 6q7k8Vps

    カトゆー家の中の人、39人説

    カトゆー家の中の人について、39人説は聞いたことがありますが、26人説は初耳です。誰の説ですか?
    参考:↓39人説発祥の地
    http://picnic.to/~kashmir/diary0305.html#030522

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